月守 晋

あの雑誌が創刊号のころ

【あの雑誌が創刊号のころ】■Tarzan ターザン■

【あの雑誌が創刊号のころ】■Tarzan ターザン■
1999/11/19

「たとえばモノにこだわることによってライフスタイルをポジティブに築いてゆく。70年代はそうやってはじまった。
・・・モノは人生について書かれた本以上に人々に豊かなインスピレーションを与え、価値観を拡大した。
・・・やがて衣食住にニューヨークからアフリカまで、1920年代から近未来まで、過剰に様々なスタイルを取り入れるところ
までいった」そしてわれわれは、経済力さえともなえば、モノは自由に替えられる豊かさの中にあるが、絶対に替えられないものがあり、それが「自分自身」。
その「自分自身とフレッシュにつきあおうとするすべての人のために『ターザン』が登場する」

おおざっぱにまとめると、以上が1986年、昭和51年4月に創刊された月刊誌『ターザン』の発刊宣言である。
この宣言から“時代の風”が読めるかな?

A4版、中綴じ、172ページ。定価300円。32ページだけが白黒で、他は4色。
表紙にはチンパンジーとターザン役の眼鏡にネクタイの中年のオッサン、スカートにパンプスのジェーン役の女の子がつるを編んだロープにぶら下がっている写真。
リード・マイルズというフォトグラファーが撮ったらしいが、編集部が自賛する「シカケがシカケを超えて、一幅の絵を創造」しているとは、とても思えない。

フロントは「時代はどんどん変わっている」、「いよいよ自分自身を最後の砦とする時代に入る」から「さわやかな朝から始まる10のTarzan宣言」という20ページ。
その1が「フィットネスこそ最新のCM素材」という、要は見た目に美しい肉体を作るためにフィットネスの時間を作ろう、というお誘いの2ページ。
以下、フィットネス関連ページが写真入りで見開き構成されている。残念ながら、編集部が意図したような読者を“激しく衝き動かすような”ページにはなっていないけれど、そういえば「フィットネス」というこ
とば、このころから流行り始めたんだ、と思い出させてはくれる。

白黒ページには10分の1のアイアンマン・レース(つまり、水泳400メートル、自転車18キロ、走り4.2キロ)のドキュメント。参加者は飛び入り(?)3人をふくめて
総数31人。トライアスロンはこのころ、宮古島のレースがTV報道されたりして、もうよく知られていた。

広告ではサントリー・モルツの新発売キャンペーンが目をひく。見開き2ページに、横になったモルツの缶がどーんと寝ころがっている。レギュラー缶350mlで215円。
そういえば今年11月三日、文化の日の早朝、サントリーの佐治敬三氏が亡くなった。

それにしてもこの雑誌、も一つ印象が散漫だな。どんな雑誌にしたいのか、どーも読めてこない。
それに、なんだかアメリカの二流誌を写真、イラストをそのまま、活字部分だけ日本語をはめこんだような誌面なんだ。
最後になったけど、出版元はマガジンハウス。

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