月守 晋

A petty talk on chocolate

■グランド マァ・モーゼスのケーキ作り■

■グランド マァ・モーゼスのケーキ作り■
1999/4/23

グランド マァ・モーゼスは76歳で絵を描きはじめ、百一歳で死ぬまで米合衆国のフォークアートの現役画家として米国民に愛され、世界からも敬愛されたおばあさんだ。

モーゼスおばあさんが好んで描く画題は、1887年に結婚するまで、Anna Mary Robartsonとして育った故郷ニューヨーク州ワシントン郡の田舎の風物であり、
行事であり、日常生活の断片であり、特別なことは何もない。

12歳の年から他家に住み込みで働きはじめ、27歳で農夫のトーマスと結婚、十人の子どもを生んだが、育ったのは5人。5人は小さいうちに死んでしまった。

絵を描きはじめたのは、リュウマチでししゅう針が持てなくなったためである。
それ以前にも壁紙の足りない箇所を、ペンキで絵を描いて埋めたりしていたが、油絵の具で描いたのは七十五歳のとき。
七十九歳のとき、売るためにドラッグ・ストアに委託してあった絵が収集家の目に留まり、次の年、1940年、ニューヨークの画廊で個展が開かれた。
その個展の紹介記事で新聞記者が命名したGrandma Moses が国中に広がっていったのである。

モーゼスおばあさんの描いた絵に「うちのクリスマス」と題された一枚がある。
1人の赤ん坊と6人の幼児と児童、手伝いをするティーンズが7人、大人と老人が11人、合計25人の人間と2匹の犬、1匹のネコが描かれている。ツリーの飾りつけが終わり、暖炉に暖
かく薪が燃えている。テーブルには食器が並べられ、少年と少女はケーキを運んでいるらしい。少女の運んでいる皿には、チョコレート菓子らしいものが11個。

おばあさんは子育てに忙しいころ、毎週のようにローフケーキを焼いた。
でも、元気な男の子が、しまっておいたケーキを食べ尽くしてしまうので、食器戸棚に錠をおろしてしまうようにした。
ある日、チョコレートケーキをしまっておいたら、錠前がかかっているのに、ケーキが消えている。
男の子たちは錠前の掛け金の下を金具でゆるめて、ケーキを取り出して食べてしまっていたのだ。
おばあさんの絵の展覧会は昭和62年と平成2年に日本でも開かれた。グランド マァ・モーゼス、1860年生まれ、1961年死去。

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