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カカオとチョコレート

投稿日: 2004年9月11日 

カカオの花、カカオポッド(果実)、カカオの種子(カカオ・ビーンズ)

アオギリ科の常緑樹、樹高4~10㍍。長楕円形の葉は長さ20~30㌢。
カカオの生産可能な地域は赤道を挟んで南北20度の地帯である。

桃色の萼(ガク)と5弁の黄色の花弁をもつ花が幹で直接、多数花を咲かせ
るが、果実になるのは200~300個のうちの一つだけ。

果実は長さ15~20㌢、径7~8㌢のラグビーボール型。
緑白、濃い黄色と色を変え、熟すと赤味をおびる。

果実の内部は5室に分かれ、白い果肉に包まれた長さ2.5㌢、幅1.5㌢
の卵形の種子が20~50個詰まっている。

ファーメンテーション(発酵)
この種子を特殊な木樽で発酵させると、独特の香気と紅色がつく。
これを乾燥させたものがカカオ豆。

カカオ・マス
カカオ豆はローストして、種皮と胚芽を除去してニブだけにする。これを
5段ロールにかけてすり潰すと液状になる。粒子の細かさは20ミクロン
以下。約50%の油脂分を含んでいるため摂氏30度前後で液状を呈する。
 注:ボナーは5段ロールで磨砕せず、マッキンタアーという機械で磨砕、混合、
 精錬(コンチング)を行う。

カカオ・バター
カカオ・マスを圧搾して油脂を得る。体温が融点であるため座薬、口紅など
の原料として重用される。

ココア・パウダー
カカオ・バターを搾った後に残る塊をココア・ケーキと呼び、これを粉末に したものがココア。

ドリンク・チョコレートから現在の食べるチョコレートへ
カカオ・マスにカカオ・バターを追油し砂糖と香料を加えたものがスイートチョコレート、                           これにミルクを加えたものがミルクチョコレート、                                           このミルクチョコレートからココアを取り去ったものがホワイトチョコレート。

カカオ・マスだけでは常温のときボロボロになるので、砂糖やいろいろの
スパイスに水分を加えて飲料として飲んでいた。しかし油脂分が53~55%
もあるので、どうしても油ぽっいので、カカオ・マスから油脂分を除去して
ココアを作った。(オランダのケンラーデ・ヴァン・ホーテンが1828年
に発明して特許を確立。)

しかし、搾油したカカオ・バターの処分に閉口したが、ヒョウタンから駒で、
カカオ・マスにココア・バターを追油して砂糖を加えると、何と常温で固まる
現在のようなチョコレートができたのである。英国のフライ&ソンズの会社が
初めて「食べるチョコレート」を世に問うたのが1847年のことであった。
飲料から食べるチョコレートになったのはそんなに古いことではない。

カカオにはテオブロミンというアルカロイドが約1%含まれている。アルカロ
イドは窒素を含む塩基性有機化合物で神経系統に激しく作用する。医薬に使用
されるのはこの理由による。

カカオの学名は’Theobroma’ 「神々の穀物」の意。
「カカオ」の名はマヤ族語の「カカウアトル」に由来する。
「神々の食べ物」のラテン語: Divinus Cibus

参考文献: エンサイクロペディア・ブリタニカ                                                        写真は筆者が本年8月24日にインドネシアのPTP8農園で撮影

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