Blog

「ヨーロッパの食とギフトを学ぶ研修旅行」(3)

投稿日: 2009年9月27日 作成者: everrichquan

「ヨーロッパの食とギフトを学ぶ研修旅行」(3)  

第4日 1986年3月4日 (火)

07:30  朝食

08:39  列車にてミラノ

12:35  ミラノ到着

13:00  昼食(ミラノの食生活体験)

13:00  ロンバルディア州立職業専門学校

中学生位の子弟が菓子、料理、彫金などの各コースに分かれて勉強ををしている。
(2年間で何と授業料が約6000円)
グルメショップNo.1店 ペック見学

白い壁面に空間のない見事な陳列。デリカテッセンの店としては日本とは雲
泥の差がある品揃えと陳列効果の素晴らしさ。

17:00  見学を終了しホテルへ到着(ジョリーツーリングホテル)

17:30-19:30 松宮隆男氏による第2回勉強会  

Ⅱ.店づくり

A.MDからツールづくり

B.店づくりの提案技術

C.見える商品、見えない商品

20:00-22:00 夕食 ナポリ料理 ピッツレーアン

第5日 1986年3月5日 (水)

08:00  朝食(ホテル)

10:00-17:00 ミラノ市内のショップ視察

サンタンブロージュ イタリア No.1 の高級菓子店の名の通り素晴らしいショーウインドーにバールと売場。パッケージ、品揃え。

昼食 グループ毎にとってもらう。菓子、パン、デザート、イタリア料理の食べ歩きで、現地の人とじかに触れて昼食を試してください。

ジェラート店    午後はグループ毎に菓子店、本屋、食器店、プレゼント店など見て勉強してください。

●小さな個性的な店がたくさんあります。

●商品構成、品揃えを参考に勉強してください。

●ミラノファッションを肌で感じとってください。

19:00-21:30 夕食      イタリアの食生活体験            

各自、自由にとってもらいます。

第6日 1986年3月6日 (木)

07:00  朝食(ホテル)

07:30  ホテル出発

特別バスにてミラノからフローレンスへ

09:30 サルソマッジョーレ

パルマ県にある。温泉地としても有名。茂木の長女
がジェラートを学んだ店にたちよる。冬場は休み。
ちょうどこの日からオープンする。
周囲は軽井沢の雰囲気に似ている。

12:00  トッシー       トッシーは田舎町の洋菓子店

13:00  フローレンス到着   昼食

14:00-18:00 自由行動    フローレンス市内の菓子店を視察

18:00  ホテル到着      Grand Hotel Baglioni

18:30-22:00  自由行動   各自で夕食をとる

第7日 1986年3月7日 (金)

07:00  朝食(ホテル)

07:30  ホテル出発     

ローマ行き特別バスにてペルージャ、アッシジを経由してテルニへ

途中、ドライブインレ・ストランを視察する。
日本のドライブインとは品揃え、メニューの豊富さが違う。日本のようなセントラルキッチンで加工し
たものではなく肉なども、ビーフ、ポーク、チキン、等々、目の前でグリルしたものを食べさせる。繊細
な調理法ではないがグルメの舌を満足させるに十分。

ここで昼食

14:00  聖フランチェスコ教会
世界的にも有名な教会。日本人の宣教師も来ており、その宣教師による日本語の案内と説明。

17:00  テルニのホテルに到着    Hotel Fontegaia(山の中の静かなリゾートホテル)

19:00-22:00 「テルニ市の菓子業界との交歓会」

テルニ市観光局からパパレッリ局長ほか数人が参列
し、テルニ市周辺の菓子屋が大勢参加した。それぞれ
店のスペッシャルティを持ちよりテイスティングパ
―ティの後、小嶋健二の独唱する「イタリア音楽の夕
べ」が始まった。食事はそれが済んで20時からから
だった。

松宮が常々言っていた言葉を思いだした。これからの時代はネアカ人間の時代だ、と。それはネ
アカの茂木が彼の人なつこい笑顔と身振り、手振りでチューリッヒ発ミラノ行きの国際列車の運
転手を手なづけて運転席に座らせてもらったとき気づいた。車窓の外は例年にない大雪でスイス
アルプスの峠付近の山間を南下しているとき、運転席で見た風景、それは太陽の光に輝く尾根、
尾根の積雪の素晴らしさだった。われわれは1時間以上も運転助手席にすわったままだった。ネ
アカ人間の見事な見本を見た思いであった。列車ビュッフェでも彼がひとりではしゃぐ姿にビュ
ッフェの女性バーテンダーものりのりであった。

ミラノはチューリッヒと違って雪はなく人々の表情も暖かかった。小嶋健二の奥さんが通ってい
た「ロンバルディア州立職業専門学校」を訪れた。1965年に訪問したドイツゾリンゲンの菓子
学校とは趣が違ったが学んでいる学生はゾリンゲンのように12才という年代より上であった。
それだけ世間の風にあたって、やはり何か専門の職を手につけておかねばという表情を感じた。
ヨーロッパはどこも同じようだが、卒業試験の審査官は役人が行うのでなくロンバルディア州の
職人組合の人間が行うのである。

2年間学んで卒業試験に合格すれば職人のはしくれに加えてもらえるのだ。しかし修得したディ
プロマには飴細工とかハード・ソフトヌガーとか品種毎の免許である。これから彼等は終生自分
の好きな菓子を1品ごとにクリスマス休暇、イースター休暇、夏休みに各国の菓子学校が開催し
ている短期講習で技術を身につけていく。12世紀のギルドの制度が仲間を守り育てていく。日
本の菓子学校や料理学校とは根本的に違う。飴細工なら立派な職人としての腕前である。大きな
製菓会社に勤めても飴細工部門をその日から任せられるのである。

売場の研究として「高級グルメショップ」として当時ミラノ、ナンバーワン店の「ペック」を視
察した。品質の高いことは勿論のことであるが、陳列の仕方、「見せ方」が抜群に優れていた。
ローマのフランキも良いが日本で言う「下町風」でペックはすぐれて「山手風」であった。パリ
のフォーションとはまた違った雰囲気があった。ここにもミラノファッションが感じられた。イ
タリアが本家だよという誇りが感じられた。

<つづく>

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PAGE TOP